【陶芸】石膏型について

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※この記事で分かること
  • 陶芸で石膏型を使用する理由
  • 石膏型の作り方

この記事では岩元陶房YOUTUBEチャンネルで配信した動画”【陶芸】石膏による雄型・雌型の製作/【Ceramic art】How to make male and female molds with plaster”をベースに簡潔にワークフローを記載しております。

陶芸において石膏型を使用する理由はいくつかあります。

同一製品の複製が可能

石膏型は同じ形状やデザインの陶器を簡単に複製するために使用します。一度作成した石膏型を使用することで、一貫性のある製品を大量に生産することが可能です。

生産効率の向上

石膏型を使用することで、手作業に比べて迅速かつ効率的に陶器を製作できます。型を使うことで、一つのデザインから多くのアイテムを製造できるため、時間と労力を節約できます。

複雑な形状の再現が可能

石膏型は複雑な形状や細部を正確に再現するのに適しています。手作業では難しい細かいディテールや緻密なパターンを型に取り込むことができます。

厚みを均一に保ちやすい

たたら板で均一に伸ばした粘土を石膏型に乗せるため、成型後も厚みを一定に保つことができます。これにより、製品の耐久性や見た目の一貫性が向上します。

石膏型ってどんなもの?

丸型の石膏型
角皿の石膏型

石膏は、硫酸カルシウム二水和物(CaSO4・2H2O)からなる鉱石や鉱物の一種です。無色透明から白色、灰色、黄色などさまざまな色を持ち、柔らかいものから硬いものまであります。特に陶芸では硬いものを使用します。

石膏型の上にたたら板で延ばした粘土を載せるため、丸形の石膏型であれば、丸みの帯びた皿。四角の石膏型であれば、角張った皿を作ることができます。

石膏型の使い方

石膏型で皿を作る

たたら板で均一に伸ばした粘土を石膏型に乗せると、石膏型の形通りに粘土成形できるといったものです。

丸形の石膏型の作り方

このタイプの石膏型の製作は比較的簡単です。

ワークフローを簡潔に記載すると、

丸形の雄型の作成1

1.原型となる器の用意

ここでは、ろくろを使って器を用意しました。

丸形の雄型の作成2

2.石膏の用意し器に石膏を流し込む

使用する石膏の種類によって、調合量変わってくると思いますので、ここでは詳しく触れませんので、使用される石膏の説明を見てご用意ください。

丸形の雄型の作成3

3.石膏が固まったら石膏を取り出す

粘土であれば、取り外しが容易です。

角型の石膏型の作り方

このタイプの作成はなかなか骨が折れます。

角皿の石膏型を作る1

1.板の上に角皿の凹み部分を作る

石膏を流し込むため、石膏を吸収しない板を使用する必要があります。ここではガラスの板を使用しております。

角皿の石膏型を作る2

2.石膏を流し込むため壁を作る

石膏を堰き止めるために壁を立てます。

角皿の石膏型を作る3

3.石膏を流し込む

2で作成した壁に隙があると、この工程で石膏が流れ出してしまいます。

角皿の石膏型を作る4

4.石膏を取り出す

角皿の石膏型を作る5

5.石膏に壁を立てる

角皿のリム部を石膏型に成形するため、壁を立てています。

角皿の石膏型を作る6

6.”どべ”や石鹸を石膏に塗る

後工程でさらに石膏を流し込むため、石膏同士がつかないように処理を施します。

“どべ”についてはこの動画で触れています。

角皿の石膏型を作る7

7.石膏を流し込む

角皿の石膏型を作る8

8.初めに作った石膏を取り外す

この工程が鬼門です。本命の石膏型を壊さないように注意が必要です

角皿の石膏型を作る4

9.完成

如何でしたでしょうか?

角皿の石膏型はなかなかハードルが高いですが、丸形の石膏。石膏を流し込むだけで製作可能なものについては、容易に作ることができます。好きな形を用意して成形に挑戦してみてください。

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